高校野球あれこれ　第239号: ぼくらのサイトⅡ

2025年10月13日

高校野球あれこれ　第239号

近江は14点大勝！大阪桐蔭はシーソーゲームを制し、それぞれ1位を確保！近畿大会出場16校が決まる！

　最後まで残っていた滋賀と大阪の決勝、3位決定戦が行われ、近畿大会（18日～　奈良・さとやくスタジアム）に出場する16校が出揃った。前評判が高かった智弁和歌山、報徳学園（兵庫）、履正社（大阪）、大阪学院大高、京都国際の名前がないのは寂しいが、センバツ出場枠「6」を懸けた熱戦が繰り広げられる。出場校は以下の通りで、今年は京都と和歌山が2校出場となっている。

　滋賀＝1位・近江、2位・彦根東、3位・滋賀学園
　京都＝1位・龍谷大平安、2位・乙訓
　大阪＝1位・大阪桐蔭、2位・近大付、3位・金光大阪
　兵庫＝1位・神戸国際大付、2位・市尼崎、3位・東洋大姫路
　奈良＝1位・智弁学園、2位・天理、3位・橿原学院
　和歌山＝1位・近大新宮、2位・市和歌山
　秋の近畿大会初出場校はなく、甲子園経験のないのは、橿原学院と近大新宮の2校。またセンバツでは今年まで、近畿からは必ず公立校が選ばれていて、今回出場する公立は、彦根東、乙訓、市尼崎、市和歌山の4校。初戦で公立同士の顔合わせがあれば、注目度は一気に増す。

近江は148キロエースに強力野手陣
　滋賀の決勝は、近江が彦根東に序盤でリードを許したが、3回に3番・杉浦憂志朗（1年）の満塁弾などで一挙8得点。6回までに14点を奪って試合を決めた。最速148キロ右腕の上田健介は援護にも恵まれ、完投勝利。14－4で近江が大勝した。上田は腕をやや下げてコンパクトな投法にしてから、課題の制球難も克服されつつある。また野手陣は強力で、1番の吉田大翼（2年）は、OBの土田龍空（中日＝22）を彷彿とさせるような華麗な守備も見逃せない。入学早々から中軸を打つ4番の箕浦太士（2年）、強肩強打の捕手・杉本将吾（2年＝主将）らが、快打を連ねる。

「ウチはくじ運が悪い」と滋賀学園監督
　滋賀の3位決定戦は、滋賀学園が延長タイブレークの末、5－1で近江兄弟社に勝って、近畿大会に滑り込んだ。10回に出た、6番・中野壮真（2年）の満塁弾が決勝点となった。昨年は1位で進出した近畿大会で、大阪桐蔭に逆転勝ちしてセンバツをつかんでいるが、一昨年は履正社に初戦負けしていて、大阪勢との対戦が続いている。山口達也監督（54）は「ウチはくじ運が悪い。智弁和歌山、智弁学園とか、天理といきなり当たる」と話していて、抽選結果が気が気ではないだろう。

大阪桐蔭は再逆転して辛くも近大付を破る
　大阪の決勝はシーソーゲームの末、大阪桐蔭が近大付に9－8で勝って、12年連続の近畿大会出場に花を添えた。両校の得点イニングが全て複数点という予想外の展開。8回表に4失点して逆転を許した直後、大阪桐蔭が3点を奪い返して再逆転というスリリングな終盤戦だった。ここまでエース・吉岡貫介（2年）、大型左腕の川本晴大（1年）の安定した投手力で危なげない試合を続けていたが、この日の苦戦は近畿大会で生かされるだろう。近大付は惜しい試合だった。今夏に続き秋も、選手の陣容では大阪一ともいわれる大院大高を破っていて、近畿大会でも活躍が期待される。

金光大阪は1年生エースが完投勝ち
　大阪の3位決定戦は、金光大阪が太成学院大高に3－1で競り勝って、4年ぶりの近畿大会出場を決めた。前回出場時は4強入りし、センバツでも8強まで進んだ。エース・岸一希（1年）は準々決勝の興国戦で、腕の不調から途中交代していて状態が心配されたが、雨の中断にもかかわらず、1失点で完投。今秋は、夏の代表・東大阪大柏原も4回戦で破っていて、近畿大会でも期待が持てそうだ。

東京では、早実と東海大菅生が早期敗退
　東北、北信越に続き、北海道や東京でも秋の激しい戦いが始まっている。東京大会の1回戦では、今春センバツ出場の早稲田実が、センバツ優勝経験のある岩倉に、延長10回のタイブレークでサヨナラ負け（3－4）した。また東海大菅生も、修徳に2－6で完敗した。近畿大会の抽選は14日の火曜日で、18日に開幕する。