高校野球あれこれ　第236号: ぼくらのサイトⅡ

2025年09月24日

高校野球あれこれ　第236号

センバツをめざす近畿の熱戦！
大阪、京都、滋賀では今夏の代表が敗退！
兵庫は次戦の準々決勝で大一番が！

　沖縄でU-18日本代表の熱戦が繰り広げられている間も、全国では来春のセンバツをめざす戦いが始まっている。まずは地区大会に出ないと事実上、センバツへの道は閉ざされてしまうわけで、近畿でも府県大会が本格化している。

夏の甲子園から19日で京都国際のセンバツ消える
　京都では、今夏の代表の京都国際と、全国最多のセンバツ出場42回を誇る龍谷大平安が初戦で当たるという抽選のいたずらがあり、平安が4－1で勝った。実際に見ていないので深く言及しないが、安打数では京都国際が上回っていたということで、京都国際がチームとして仕上がっていなかったということだろう。試合があった9月7日は、京都国際が夏の甲子園で敗退してから19日しか経っておらず、結果はともかく、今週末の準々決勝あたりで当たっていれば、違った展開になっていたかもしれない。

綾羽と東大阪大柏原も1点差で惜敗
　同じことは滋賀でも言え、今夏に初出場初勝利した綾羽が、3回戦で近江兄弟社に2－3で惜敗した。兄弟社は夏の甲子園出場1回で、近年は綾羽の方が実力実績とも上位という印象。元木琥己（2年）ら主力投手も残ってはいたが、夏の甲子園から1か月ほどで、チームとしてこれからというタイミングだったかもしれない。14年ぶりに大阪代表となった東大阪大柏原も、大阪大会の4回戦で有力校の金光大阪に3－4で惜敗した。この時期は一週間でチームがガラッと変わるとも言われ、チームの状況が試合結果に大きく影響する。

大阪桐蔭、履正社、大院大高は5回戦へ
　今秋の近畿大会は奈良のさとやくスタジアム（橿原公苑野球場）で、10月18日に開幕する。大阪、兵庫、滋賀、奈良から3校。京都と和歌山から2校の計16校が出場し、例年通りならセンバツの6枠を争うことになる。国民スポーツ大会が開かれる滋賀は進行が早く、すでに4強が決まっていて、大阪を除く4府県で8強が出揃っている。大阪は、大阪桐蔭と履正社の2強が順調に5回戦まで勝ち進んでいて、有力選手を擁する大阪学院大高も力強い。この3校はうまくばらけ、昨秋同様、3校が揃って近畿大会に進む可能性のある組み合わせとなっている。

近江が、50年前のセンバツ出場校・能登川に大苦戦
　滋賀は、初戦で有力校の彦根総合に完封勝ちした近江が準々決勝で、エース・上田健介（2年）の不調から序盤に一挙7点を失うなど、能登川に大苦戦。攻撃陣の奮起で挽回して、11－9で辛くも勝った。準決勝では滋賀学園と当たる。能登川は一時、部員不足により連合チームでの参加という危機もあったが、たくましく復活している。50年前のセンバツに一度だけ甲子園を経験し、掛川西（静岡）に3－4で逆転負けした。この試合で、2年生エースだった宮本勉投手が放った本塁打は、記念すべき滋賀県勢の甲子園第1号である。準決勝もう1試合は、綾羽を破って勢いづく兄弟社と、文武両道の彦根東の顔合わせとなった。

京都は北稜、乙訓などの公立が健闘
　京都は8強に公立が5校も残り、近畿大会2枠を狙う。優勝候補筆頭の平安は、昨秋3位で好左腕のいる北稜と当たり、勝てば公立同士の福知山－鳥羽の勝者と準決勝で対戦する。前チームで春の府大会を制した京都共栄学園は、京都文教との準々決勝。もう1試合も公立同士で、乙訓と久御山が当たるが、乙訓は夏のメンバーがほぼ残っていて、安定した試合運びを見せている。昨秋は近畿大会で振るわず、センバツ出場を逃しているだけに、巻き返しに期待したい。

東洋大姫路と報徳が激突し、敗者はセンバツ絶望
　兵庫は準々決勝で大一番が控える。前チームで春夏連続の甲子園出場を果たした東洋大姫路が報徳学園と対戦するというビッグカードだ。両校は今夏も決勝で当たり、東洋大姫路が7－6で勝った。メンバー一新の東洋大姫路は、2回戦で関西学院と延長タイブレークの死闘を繰り広げ、10回に2点を先行されたが、逆転サヨナラ3ランで辛勝。3回戦でも公立の東播磨に粘られ、ようやく8回裏に決勝点を奪って5－4で振り切った。報徳は3回戦で有力校の明石商と当たったが、5－2で快勝した。この敗者は、近畿大会に出場できない。ほかのカードは、A＝六甲アイランドー神戸国際大付、B＝彩星工科－明石清水、C＝市尼崎ー柏原（かいばら）で、準決勝はA－B、Cの勝者が東洋大姫路と報徳の勝者と顔を合わせる。

奈良大付の長身エースが強打の天理と激突
　奈良も準々決勝で、前チーム春夏連続甲子園の天理が、投手力の奈良大付と対戦する注目のカード。前チームから主戦級だった長身右腕の新城楓雅（2年）が、天理伝統の強打線といかに相対するか。
　ライバルの智弁学園は、1年の夏に甲子園で投げた左腕・杉本真滉（2年）が奪三振を量産するなど好調をキープ。準々決勝では法隆寺国際と当たる。2強が対戦するとすれば決勝で、智弁のブロックは高田商ー郡山、天理のブロックは、奈良女子大付－橿原学院が準々決勝の対戦になる。

智弁和歌山を追う市和歌山の構図を崩せるか
　和歌山は特殊な方式を採用していて、新人戦の上位4校と、一次予選の上位4校によるトーナメントで優勝争いをする。新人戦を圧倒的な強さで制した智弁和歌山は、近大新宮とまず当たり、勝てば高野山－箕島の勝者と準決勝を戦う。好投手・丹羽涼介（2年）がいる市和歌山は初芝橋本との初戦。この勝者と日高中津ー日高の勝者での準決勝になる。近年は智弁和歌山を市和歌山が追いかける構図となっているが、割って入るチームが出現するか。日高中津は日高の分校で、校歌は同じ。勝てば、日高は1番を。日高中津は3番を歌う。

今週末は近畿大会出場を争う重要な試合
　昨年、2校の出場だった滋賀と奈良では準決勝で大一番があり、滋賀学園に敗れた近江と、天理に敗れた智弁学園が近畿大会出場を逃した。2校枠は決勝進出が必須なだけに、厳しい戦いが続く。また兵庫と奈良では、敗れればセンバツアウトの準々決勝でビッグカードが実現する。今週末は、センバツへの第一関門。試合まで数日しかない。有意義な時間を過ごしてほしい。