高校野球あれこれ 第235号

U-18日本代表、米国のパワーに屈し、W杯連覇ならず!
でも32回の大会で、日本の優勝1回だけはなぜ?


 沖縄で開かれていた野球のU-18ワールドカップ(以下W杯)決勝は、米国代表が日本代表を2-0で破って、11回目の優勝を果たした。2年前の前回大会で初優勝し、世界ランク1位の日本は地元開催で連覇を狙ったが、米国のパワー投手に完封された。

沖縄尚学の末吉が地元で力投
 オープニングラウンドから負けなしの日本は、決勝でチーム唯一の2年生、沖縄尚学の末吉良丞を先発に起用。タイブレーク勝ちしたスーパーラウンド初戦の米国との試合でも、強打の米国を5回途中まで無安打に抑えた左腕は、地元の大声援にも後押しされ、この日も期待通りの好投を見せる。試合はお互いに走者を出しながらも決定打が出ない序盤で、3回裏に日本がライナー併殺の微妙な判定から、試合の流れを失う。

微妙な判定の走者から米に先制を許す
 4回表1死後の米国打者の三塁ゴロは、為永皓(神奈川・横浜)の好守で、間一髪アウトかと思われたが、判定はセーフ。直前の併殺プレーでビデオ検証に失敗した日本は、この場面で要求できず、その後、1、3塁とピンチが広がると、一塁へ当たり損ねのゴロが転がり(内野安打)、1点を先制された。続くピンチは、切り札の石垣元気(群馬・健大高崎)が切り抜けるも、続投となった5回には制球を乱し、無安打で追加点を奪われた。

好調投手陣も切り札を二番手に投入
 決勝について、代表の小倉全由監督(68)は「細かく投手をつないでいきたい」と話していたが、いきなり切り札を二番手で出してしまったため、自慢の投手陣、特に調子が良かった西村一毅(京都国際)や下重賢慎(健大高崎)の両左腕、右腕の早瀬朔(鹿児島・神村学園)を温存する結果となった。4回までにリード、もしくは同点の展開で得意の継投策に出るプランだったと察するが、後手に回る展開で相手の勢いを止めるには、石垣に頼るしかないという判断も致し方ないところだろう。

米先発の二刀流は規格外のサイズ
 それよりも驚かされたのが、米国の先発投手だ。このボスウイックという右腕は、いわゆる二刀流選手で、この日は3番DHで起用されていた。今W杯では、日本も奥村頼人(横浜)を同様の形で起用したが、先発マウンドを退いた後も、打席に立ち続けられるというMLBの「大谷ルール」が適用されている。198センチ118キロという規格外のサイズ以外にあまり情報がなく、立ち上がりの得点機をモノにできれば、早期に降板させられる可能性もあった。

150キロ超の直球でねじ伏せられる
 初回、2番・藤森海斗(高知・明徳義塾)が安打とボークで得点圏まで進み、主将の阿部葉太(横浜)に回す。阿部はオープニングRで調子を落としていたが、スーパーRに入ってからは3試合連続で複数安打するなど、復調していた。しかしここで阿部は、ボスウィックの150キロの直球に空振り三振。先制機を逃した。オープニングRでは最速151キロだったというボスウイックはこの日、直球の平均が150キロ超という、日本の想定をはるかに上回る球威で圧倒した。終わってみれば7回をわずか3安打。四球は1個でつけ入るスキがなかった。この世代はこれまでも、早熟な米国選手のパワーに圧倒されることが多かったが、今回も最後に現れたパワー投手にねじ伏せられた。

日本は打撃陣の長打力が課題
 日本の課題はやはり打撃。特に、一撃で試合の雰囲気を変えられるような長打力が不足している。攻撃全体としては、犠打や走塁で相手守備をかく乱する作戦が奏功する場面も少なくなかったが、決勝のように、走者が出なくては作戦の使いようがない。イニングの先頭出塁は2回の一度きりで、複数走者もなかった。この大会では木製バットを使用しているが、昨年の「低反発バット」の導入以降、日本の高校生も木のバットへの対応が進んでいる。今世代は、強いライナーや外野の頭を越せるような飛距離を持つ選手も出てはいた。今後はミートに長けた打者だけでなく、長打が期待できる大型打者も加えた攻撃陣を編成して、国際大会に臨んでほしい。

甲子園大会のため、「オールジャパン」で参加できず
 ところで、32回を数えるこの大会で、日本の優勝は前回の1回きり。米国は11回目の優勝だ。WBCや五輪、各世代別で見ても、この高校世代は、世界大会での優勝が少なすぎる。それはなぜか?答えは、「夏の甲子園大会があるから」だ。かつて世界選手権だったW杯は、夏の甲子園と同時期に開催されていて、現在のような「オール高校ジャパン」としては参加していなかった。甲子園組中心のオールジャパンとしては、今回が9回目の出場で、1位が1回、2位が4回、3位が2回と、7大会でメダルを獲得している。

今回も夏の甲子園不出場の中野が活躍
 ただ夏の甲子園直後の開催に変わりはなく、かつてのチーム同様、激闘疲れを隠せない選手もいた。西村や奥村頼らが、入念な調整と指導陣の配慮で、甲子園以上の力を発揮できたのは素晴らしく、スタッフの尽力には頭が下がる。前回のW杯初制覇に貢献した前田悠伍(大阪桐蔭~ソフトバンク)のように、夏の甲子園に出場していない選手が大活躍するのは痛し痒しではあるが、今回も大阪桐蔭の主将だった中野大虎が3勝するなど、夏の甲子園不出場選手が要所でいい働きをした。センバツ後に候補選手の合宿を開いて代表選考を始めるが、全国のネットワークを駆使して、夏の甲子園大会の裏で「不出場組」を集めて練習会を開いてはどうだろうか。

甲子園を取るか、世界一を求めるか
 今大会でエース級の活躍をした末吉はまだ2年生。新チームへの合流が遅れることを承知で送り出した、沖縄尚学の比嘉公也監督(44)の英断に敬意を表したい。実力のある下級生の代表選出にも、翌春のセンバツが絡んでいる。日本の高校野球文化は、甲子園で育まれた。この世代にとって、甲子園を取るか、世界一の称号を求めるかは、永遠の課題である。次回大会は、2年後に中国で開かれる。

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