高校野球あれこれ 第214号

龍谷大平安の新監督に名左腕の川口氏!
近江も小森新監督誕生!京滋の名門が、新世代の指導体制へ!

 近畿の名門校の監督が代替わりしている。センバツで準優勝した智弁和歌山は、すでに甲子園68勝の高嶋仁氏(78)から、中谷仁監督(45)にバトンが渡り、4年前の夏の優勝に続く今春の活躍で、名監督への道を着実に歩んでいる。

平安は甲子園準優勝投手の川口氏
 その中谷監督の現役時代、夏の甲子園で優勝を争った川口知哉氏(45=タイトル写真右)が、母校・龍谷大平安(京都)の監督に就任することになった。前任の原田英彦氏(64)が3月に辞任、退職したことから、すでに監督代行として練習試合でも指揮をとっている。新年度から正式に監督となった次第だが、原田氏が今年度で定年となることから、夏以降の川口氏の監督就任は既定路線だった。チームは昨秋に京都で準優勝し、夏も有力な代表候補。現役時代に夏の甲子園で準優勝し、長く低迷していた平安を完全復活させた名左腕にかかる期待は大きい。

ソフトで丁寧な指導者の印象が強い川口氏
 川口新監督は、オリックスからドラフト1位指名を受けてプロ選手となったが、たび重なるケガに悩まされ、大成できなかった。引退後は女子プロ野球の指導者を経て、3年前に原田氏から声を掛けられ、後継者として経験を積んできた。主に投手コーチを担い、球場でもタイトル写真のように、バッテリーを指導する姿を何度も目にしてきた。高校時代は「ビッグマウス」と呼ばれる「有言実行型」だったが、指導者としての印象は180度、異なる。原田氏も「選手に優しいし丁寧」と評するように、人当たりはソフトで、対話を重視しているように感じた。コーチ就任直後に取材した際は、「(リーグ戦の)女子野球と違って、高校野球は負けたら終わりで、勝負が厳しい」と話していた。全国屈指の名門だけに、期待が大きい反面、プレッシャーも半端ないだろうが、彼には甲子園での実績がある。OBたちも、協力を惜しまないのではないだろうか。

近江の多賀監督は小森新監督にバトンを渡す
 平安で原田氏の1年先輩だった近江(滋賀)の多賀章仁監督(65)が退任することは、昨年末に報道されていた。3月10日に退任会見があり、20日には、昨夏に甲子園出場を果たした岐阜城北を招いて「勇退試合」が行われた。センバツのゲスト解説でお会いした時も「あんなに多くの人(300人超)が来てくれるとは思っていなくて、びっくりした」と、感慨深げに話した多賀氏。山田陽翔(西武)や植田海(阪神)ら、現役のプロ選手から、ねぎらいの花も届いていた。

 そしてバトンを受けたのが、2001年の夏、甲子園で準優勝した時に主将だった小森博之新監督で、京都国際の小牧憲継監督、仙台育英(宮城)の須江航監督と同学年の41歳。早速、3校で練習試合も行ったようだ。小森新監督は、多賀氏に早くから見込まれ、佛教大卒業後すぐに近江の教師になった。寮監やコーチとして指導歴は長く、甲子園は知り尽くしている。

伝統を受け、いかに「らしさ」を出せるか
 原田氏が甲子園31勝で優勝1回、準優勝1回。多賀氏が28勝で準優勝2回。ともに30年以上の監督歴があり、引き継ぐ新監督も大変だろう。どうしても前任者のイメージが先行し、比較されてしまう。同世代の智弁和歌山の中谷監督は、高嶋氏の築き上げた「強打」の伝統を残しつつ、バッテリーの強化、バントや小技を駆使した緻密な野球で、結果を残している。

 恩師の教えを受け継ぐことは当然としても、いかに自身の「らしさ」を具現化できるかが、「ニュー平安」「ニュー近江」の成否につながるのだろう。両校は前任の高校時代の深い縁もあって、6月に「定期戦」を行い、夏の地方大会に向かう。若い指導者の行く末に注目している。

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この記事へのコメント

2025年04月13日 08:31
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小川大輔ブランコ(daisuke.ogawa@flashscore.co.jp)