高校野球あれこれ 第156号
健大高崎、悲願の日本一へ 今度は甲子園で嬉し涙を流す
2年連続7回目のセンバツ出場となる健大高崎。昨年は準優勝した報徳学園に初戦(2回戦)で敗れ、春夏を通じて初めて1勝もできずに甲子園を去ったが、今大会では優勝候補の一角という声も聞こえてくる。これまでの最高成績は2012年のベスト4。悲願である日本一を掴み取れるか。
泥臭く、気持ちを全面に出して戦う
2023年7月下旬、夏の北海道遠征に向かうフェリーの中で、新主将に就いたばかりのキャッチャー箱山遥人の体に異変が起きていた。出発前から違和感を覚えていた腹部の痛みが我慢できないほど強くなり、太平洋沖で海上保安庁の船に救出され、岩手・石巻市の病院に緊急入院。診断結果は盲腸だった。
遠征後に復帰を果たしたが、秋季県大会のシード権がかかった西毛リーグの初戦で東農大二に7-8で敗れ、ノーシードからセンバツを目指すことになった。
「足元を固める時期に、キャプテンである自分が離脱して、いい入りができなかったことがシードを逃した原因。負けてからは危機感がチーム全体に生まれて、『泥臭く、気持ちを前に出して戦おう』と言い合うようになりました。自分たちの代は『能力の高い選手が集まった』と言われていたんですけど、それだけでは勝てない。能力があるからこそ、ほかのチームよりも強い気持ちや気迫を全面に出していく」
影響を受けたのが、4つ上の兄(直暖)がプレーしていた福島・聖光学院のチーム作りだ。兄から斎藤智也監督の話を聞いたり、本や記事を読んだりするなかで、勝てる集団に必要なことを感じ取った。
「勝って泣けるチームになろう」を合言葉に
チームとして手応えを掴んだのが、県大会2回戦の翌日に行われた青森山田との練習試合だったという。逆転に次ぐ逆転の激戦のなか、気持ちで一歩も引かずに立ち向かい、1点差ゲームをモノにした。
この勢いのまま群馬大会を制すると、関東大会準々決勝では中央学院に逆転勝ち。勝利の瞬間には箱山、森山竜之輔ら、主力選手の目に嬉し涙が見えた。
「日頃から何事も本気でやってきて、『勝って泣けるチームになろう』とみんなで言い合ってきました。でも、それがどういうチームなのか、自分たちもわからないまま戦ってきたんですけど、中央学院に勝ったあとには自然に涙が出てきて。自分たちがやってきたことは間違っていなかったと実感できた試合でした」
プレー面だけでなく、リーダーシップにも優れ、仲間からの信頼も厚い箱山。江戸川中央シニア時代からのチームメイトで、寮では同部屋でもある森山は、笑いを交えながら語る。
「普段は“構ってほしいタイプ”で、よくちょっかいを出してきます。たぶん、人とずっと喋っていたい性格なんだと思います。独り言も多い(笑)。それが、グラウンドに入ると一気にスイッチが入って、ミーティングでもいつも気持ちが入るようなことを言ってくれる。本当にすごいやつです」
ライバルであり仲間でもあるWエース
扇の要に座る箱山がリードするのが、左腕・佐藤龍月、右腕・石垣元気の新2年生コンビだ。早くも2025年のドラフト候補に名が挙がる。
佐藤は、中学時代(東京城南ボーイズ)にWBSC U-15ワールドカップ代表に選ばれた実績を持ち、いくつもの学校から誘いを受けたが、「2つ上の兄(志龍)と一緒に甲子園に出たい」という理由で健大高崎を選んだ。常時140キロ台前半のストレートと曲がり幅の大きいスライダーを武器に、昨秋の公式戦では33イニングで自責わずか3、防御率0.82の数字を残した。
石垣は、北海道登別市出身。中学2年生の12月に久米島で行われた大会を、沖縄合宿中の健大高崎・青栁博文監督が視察に訪れた縁で声がかかった。最速148キロ(取材時)のストレートが武器で、センバツでの150キロ超えを視野に入れる。
今年2月には、投手陣全体で鳥取のワールドウィングを訪れ、「初動負荷理論」で知られる小山裕史氏の指導のもと、1週間の合宿を行った。佐藤はカットボール、石垣はタテ割れのカーブに手応えを得て、投球の幅を広げている。
2人はトレーニングもブルペンでの投げ込みも寮での食事も、いつも一緒。「ライバルであり、仲間」と語るが、互いの存在をどう見ているか。
「自分よりストレートが速いピッチャーと出会ったことがなかったので、すごくいい存在になっています。真っすぐの質や速さを見習いたい。逆に、変化球の精度や曲がりは自分のほうが勝っている自信はあります。野球になると顔つきが変わるんですけど、普段はノリがよくて話しやすいです」(佐藤)
「入学したときからピッチングの完成度が高くて驚きました。本当にこの前まで中学生だったのかな……って。スライダーがすごいので握りや投げ方を教わっているんですけど、まだ自分には投げられません。普段の龍月はふざけるキャラというか、真面目……ではないですね(笑)」(石垣)
昨秋、今春と背番号1は佐藤が背負う。「エース」へのこだわりはどこまであるのか。
「誰にも取られたくない番号です。やっぱり、隣にいるんで。そこは絶対に負けたくないです」(佐藤)
「1番をつけてみたい気持ちはあります。でも、10番であっても、10番の役割があると思うので、そこに徹していきたい。1番が崩れたときに、自分が投げて抑えることができればいいと思っています」(石垣)
佐藤「龍月」の名には、龍が月に上るように人生をのし上がってほしいという想いが込められているそう。2024年は辰年。「親に名付けてもらった名前をしっかりと売れるように、今まで以上にマウンドで躍動したい」と、初の甲子園を楽しみに待つ。
8月16日生まれの石垣は、出産予定日から2週間ほど遅れての誕生だったという。「お腹の中にいるときから、『元気に生まれてきてほしい』という想いで付けられたみたいです」。その願いどおりに元気いっぱいに育ち、甲子園の舞台へ。「150キロと日本一」と2つの目標を立てている。
昨年敗れた初戦を突破して一つひとつ山を登っていく
下級生の二本柱を盛り立てる野手陣は、四番・箱山のあとに、勝負強い森山が控える。昨春センバツは背番号17でベンチに入るも、ネクストサークルで敗戦を迎えた。
「昨年は打席に入っても自信がなくて、『打てなかったら、どうしよう』とばかり思っていました。でも、今年は誰よりもバットを振ってきた自信がある。チャンスで回ってくることが多いので、勝負強さを見せたいです」
青栁監督は、「中軸に力のあるバッターがいる分、一番、二番の出塁がカギ」と、キーマンに斎藤銀乃助、田中陽翔の名を挙げる。田中は1年秋にレギュラーを掴んだが、大会後にもともと痛めていた右ヒザの半月板を手術し、2年春夏は公式戦に出場できなかった。
「自分の代で活躍したかったので、それまでにケガを治すことに専念しました。去年の秋は関東のベスト4まで行ったんですけど、準決勝では守備のミスが出て負けている。箱山だけに頼らずに、自分たちが箱山を支えられるようにチームを引っ張っていきたい。目標は日本一。でもそれは当たり前のことで、ずっと勝ち続けるチームでありたいと思っています」
一人ひとりが着実に成長を遂げる姿を、青栁監督はこう称える。
「中学時代に実績を残した選手たちが、農大二戦の敗戦をきっかけに、泥臭くひたむきに、執念を持ってプレーしてくれるようになりました。センバツでは、昨年敗れた初戦を突破して、一つひとつ山を登っていきたい」
悲願の日本一へ、準備は整った。今度は、甲子園で嬉し涙を流す。

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2年連続7回目のセンバツ出場となる健大高崎。昨年は準優勝した報徳学園に初戦(2回戦)で敗れ、春夏を通じて初めて1勝もできずに甲子園を去ったが、今大会では優勝候補の一角という声も聞こえてくる。これまでの最高成績は2012年のベスト4。悲願である日本一を掴み取れるか。
泥臭く、気持ちを全面に出して戦う
2023年7月下旬、夏の北海道遠征に向かうフェリーの中で、新主将に就いたばかりのキャッチャー箱山遥人の体に異変が起きていた。出発前から違和感を覚えていた腹部の痛みが我慢できないほど強くなり、太平洋沖で海上保安庁の船に救出され、岩手・石巻市の病院に緊急入院。診断結果は盲腸だった。
遠征後に復帰を果たしたが、秋季県大会のシード権がかかった西毛リーグの初戦で東農大二に7-8で敗れ、ノーシードからセンバツを目指すことになった。
「足元を固める時期に、キャプテンである自分が離脱して、いい入りができなかったことがシードを逃した原因。負けてからは危機感がチーム全体に生まれて、『泥臭く、気持ちを前に出して戦おう』と言い合うようになりました。自分たちの代は『能力の高い選手が集まった』と言われていたんですけど、それだけでは勝てない。能力があるからこそ、ほかのチームよりも強い気持ちや気迫を全面に出していく」
影響を受けたのが、4つ上の兄(直暖)がプレーしていた福島・聖光学院のチーム作りだ。兄から斎藤智也監督の話を聞いたり、本や記事を読んだりするなかで、勝てる集団に必要なことを感じ取った。
「勝って泣けるチームになろう」を合言葉に
チームとして手応えを掴んだのが、県大会2回戦の翌日に行われた青森山田との練習試合だったという。逆転に次ぐ逆転の激戦のなか、気持ちで一歩も引かずに立ち向かい、1点差ゲームをモノにした。
この勢いのまま群馬大会を制すると、関東大会準々決勝では中央学院に逆転勝ち。勝利の瞬間には箱山、森山竜之輔ら、主力選手の目に嬉し涙が見えた。
「日頃から何事も本気でやってきて、『勝って泣けるチームになろう』とみんなで言い合ってきました。でも、それがどういうチームなのか、自分たちもわからないまま戦ってきたんですけど、中央学院に勝ったあとには自然に涙が出てきて。自分たちがやってきたことは間違っていなかったと実感できた試合でした」
プレー面だけでなく、リーダーシップにも優れ、仲間からの信頼も厚い箱山。江戸川中央シニア時代からのチームメイトで、寮では同部屋でもある森山は、笑いを交えながら語る。
「普段は“構ってほしいタイプ”で、よくちょっかいを出してきます。たぶん、人とずっと喋っていたい性格なんだと思います。独り言も多い(笑)。それが、グラウンドに入ると一気にスイッチが入って、ミーティングでもいつも気持ちが入るようなことを言ってくれる。本当にすごいやつです」
ライバルであり仲間でもあるWエース
扇の要に座る箱山がリードするのが、左腕・佐藤龍月、右腕・石垣元気の新2年生コンビだ。早くも2025年のドラフト候補に名が挙がる。
佐藤は、中学時代(東京城南ボーイズ)にWBSC U-15ワールドカップ代表に選ばれた実績を持ち、いくつもの学校から誘いを受けたが、「2つ上の兄(志龍)と一緒に甲子園に出たい」という理由で健大高崎を選んだ。常時140キロ台前半のストレートと曲がり幅の大きいスライダーを武器に、昨秋の公式戦では33イニングで自責わずか3、防御率0.82の数字を残した。
石垣は、北海道登別市出身。中学2年生の12月に久米島で行われた大会を、沖縄合宿中の健大高崎・青栁博文監督が視察に訪れた縁で声がかかった。最速148キロ(取材時)のストレートが武器で、センバツでの150キロ超えを視野に入れる。
今年2月には、投手陣全体で鳥取のワールドウィングを訪れ、「初動負荷理論」で知られる小山裕史氏の指導のもと、1週間の合宿を行った。佐藤はカットボール、石垣はタテ割れのカーブに手応えを得て、投球の幅を広げている。
2人はトレーニングもブルペンでの投げ込みも寮での食事も、いつも一緒。「ライバルであり、仲間」と語るが、互いの存在をどう見ているか。
「自分よりストレートが速いピッチャーと出会ったことがなかったので、すごくいい存在になっています。真っすぐの質や速さを見習いたい。逆に、変化球の精度や曲がりは自分のほうが勝っている自信はあります。野球になると顔つきが変わるんですけど、普段はノリがよくて話しやすいです」(佐藤)
「入学したときからピッチングの完成度が高くて驚きました。本当にこの前まで中学生だったのかな……って。スライダーがすごいので握りや投げ方を教わっているんですけど、まだ自分には投げられません。普段の龍月はふざけるキャラというか、真面目……ではないですね(笑)」(石垣)
昨秋、今春と背番号1は佐藤が背負う。「エース」へのこだわりはどこまであるのか。
「誰にも取られたくない番号です。やっぱり、隣にいるんで。そこは絶対に負けたくないです」(佐藤)
「1番をつけてみたい気持ちはあります。でも、10番であっても、10番の役割があると思うので、そこに徹していきたい。1番が崩れたときに、自分が投げて抑えることができればいいと思っています」(石垣)
佐藤「龍月」の名には、龍が月に上るように人生をのし上がってほしいという想いが込められているそう。2024年は辰年。「親に名付けてもらった名前をしっかりと売れるように、今まで以上にマウンドで躍動したい」と、初の甲子園を楽しみに待つ。
8月16日生まれの石垣は、出産予定日から2週間ほど遅れての誕生だったという。「お腹の中にいるときから、『元気に生まれてきてほしい』という想いで付けられたみたいです」。その願いどおりに元気いっぱいに育ち、甲子園の舞台へ。「150キロと日本一」と2つの目標を立てている。
昨年敗れた初戦を突破して一つひとつ山を登っていく
下級生の二本柱を盛り立てる野手陣は、四番・箱山のあとに、勝負強い森山が控える。昨春センバツは背番号17でベンチに入るも、ネクストサークルで敗戦を迎えた。
「昨年は打席に入っても自信がなくて、『打てなかったら、どうしよう』とばかり思っていました。でも、今年は誰よりもバットを振ってきた自信がある。チャンスで回ってくることが多いので、勝負強さを見せたいです」
青栁監督は、「中軸に力のあるバッターがいる分、一番、二番の出塁がカギ」と、キーマンに斎藤銀乃助、田中陽翔の名を挙げる。田中は1年秋にレギュラーを掴んだが、大会後にもともと痛めていた右ヒザの半月板を手術し、2年春夏は公式戦に出場できなかった。
「自分の代で活躍したかったので、それまでにケガを治すことに専念しました。去年の秋は関東のベスト4まで行ったんですけど、準決勝では守備のミスが出て負けている。箱山だけに頼らずに、自分たちが箱山を支えられるようにチームを引っ張っていきたい。目標は日本一。でもそれは当たり前のことで、ずっと勝ち続けるチームでありたいと思っています」
一人ひとりが着実に成長を遂げる姿を、青栁監督はこう称える。
「中学時代に実績を残した選手たちが、農大二戦の敗戦をきっかけに、泥臭くひたむきに、執念を持ってプレーしてくれるようになりました。センバツでは、昨年敗れた初戦を突破して、一つひとつ山を登っていきたい」
悲願の日本一へ、準備は整った。今度は、甲子園で嬉し涙を流す。

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