高校野球あれこれ 第71号

センバツ有力のクラーク記念国際のエースの将来像は阪神・青柳か?

大阪桐蔭に大敗しても期待が持てる理由



クラーク記念国際(北海道)の背番号1、新岡 歩輝投手(2年)は、前チームでは遊撃手として甲子園に出場。今年は全道大会を1人で投げきり、優勝に導いた。昨年、札幌ドームでの公式練習で投げている姿を見ていたが、常時130キロ後半の速球と、切れ味の鋭いスライダーを投げ分ける投手になるとは想像できなかった。遊撃手としても悪い選手ではないが、打撃はややパンチ力に欠けるので、投手として才能を伸ばしてほしい。



 新岡は主将としてチームを牽引しているが、佐々木監督は「今年は新岡しかいなかった」というぐらい信頼を寄せている。







 右サイド気味から投げ込む直球は常時130キロ~138キロ。高校1年の120キロ台ほどから大幅なスピードアップに成功した。直球以上に変化球も鋭く、カットボール、チェンジアップ、カーブ、スライダーと多くの球種を操る。スライダーも縦変化、スラーブ系といろいろと使い分けて、直球と同じ軌道から曲げている。内角にも強く攻めることで、より変化球が生きている。





 明治神宮大会の初戦、大阪桐蔭(大阪)戦では、チェンジアップが甘くなったところを打ち込まれてしまったが、それでも1つ1つの投球の意図を見ると、12失点する投手には感じなかった。佐々木監督も「序盤はやや硬さがありましたが、4、5回の投球は意図が感じられた」と投球内容を評価していた。





 右サイド気味といえば、最近のプロ野球ではテクニックで勝負する阪神・青柳 晃洋投手(川崎工科出身)や、剛速球タイプで勝負する巨人・大勢投手(西脇工出身)などがいるが、新岡はどちらかというと、青柳寄りの投手ではないだろうか。投げ方に無駄がなく、シャープに腕を振っている投球フォームを見ても、負担が少なく、長いイニングを投げられそうだ。





 来年へ向けてどれだけ出力を高めて、全国レベルの打線を封じることができる投手へ成長できるか、注目していきたい。

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